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タンパク質マイクロアレイ解析
マイクロアレイ解析について
マイクロアレイとは、ガラスなどの基板上にDNAやタンパク質、組織などを多数整列固定したもので、基板上の分子と特異的に相互作用する標的分子や化合物などを、大量かつ同時並行的に検出するツールです。このため、スクリーニングやプロファイリングに最適な解析手法です。
ご提供するタンパク質マイクロアレイ解析の特徴
弊社で使用するマイクロアレイは、福島医薬品関連産業支援拠点化事業で開発されたタンパク質マイクロアレイです。少量のサンプルから数千種類以上のタンパク質に対する結合性を網羅的に解析することができます。
データ解析について
弊社のマイクロアレイ解析では、サンプル用抗体とレファレンス用抗体の2つの二次抗体を使用する2色法を採用し、スポット間のタンパク質量を補正します。得られたデータを正規化することにより、同一アレイ上だけでなく、異なるアレイ間の比較解析が可能です。
測定結果については、生データのみをお渡しするのではなく、スポットの検出(有効スポットの抽出)、データの正規化、二次比の算出(有効スポットの抽出)を行い、さらにお客様の目的に合わせたデータ解析を実施いたします。測定からデータマイニングまで、どうぞお任せください。
- ※測定の概要についてはページ下部の資料ダウンロードからご覧いただけます。
アレイの種類
ヒトタンパク質(2種類:コムギ胚芽無細胞合成系、細胞合成系)、微生物、アレルゲンの4種類をご用意しています。各アレイの詳細については、下記の各タブをクリックしてご確認いただけます。
ヒトタンパク質マイクロアレイの特徴
ヒトタンパク質マイクロアレイとして、コムギ胚芽無細胞合成系と細胞合成系の2種類のアレイをご用意しています。多数のサンプルを搭載しており、血中抗体のプロファイリング、バイオマーカーや創薬ターゲットの探索、抗体特異性のプロファイリング等に適しています。
いずれのタンパク質マイクロアレイにおいても、既存薬や試薬抗体等の結合に問題はないことが確認されています。
ヒトタンパク質マイクロアレイ(コムギ胚芽無細胞合成系)
(株)セルフリーサイエンス社のコムギ胚芽無細胞系で合成した16,600種類以上のヒトタンパク質※1(ヒト全遺伝子の約7割に相当)を搭載しています。細胞内タンパク質から分泌タンパク質、膜タンパク質に至るまで、バリエーションも豊富です。
種類別内訳※2
配列別内訳
ヒトタンパク質マイクロアレイ(細胞合成系)
細胞を用いた発現系で合成した5,300種類以上のヒトタンパク質※1を搭載しています。コムギ胚芽無細胞合成系と比べて、搭載されているタンパク質の種類は限られますが、翻訳後修飾や立体構造を維持したタンパク質での評価に適しています。
種類別内訳※2
発現系別内訳
- ※1 各アレイに搭載されているタンパク質のリストについては、ページ下部の資料ダウンロードよりご確認ください。
- ※2 複数のカテゴリに属するタンパク質の場合、それぞれのカテゴリでカウントしています。
- 試験例
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血中抗体のプロファイリング
【関節リウマチ患者血清の自己抗体プロファイリングの比較】
蛍光強度のばらつきがあるデータを正規化して比較解析を行い、個々人に特徴的な自己抗体や、患者間で共通の自己抗体を再現性よく検出できます。
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抗体の評価
抗体の標的タンパク質に対する結合性や、標的以外のタンパク質に対する交差反応性を検証することができます。また、抗体特異性の評価、抗体の抗原探索、副作用に関する参考データの取得などにも利用可能です。
【既存の抗体医薬品およびコンパニオン診断薬(78種類)の評価】
既存の医薬品の中には、標的抗原にのみ特異的に結合するものがある一方で、標的抗原以外の抗原に結合するものや、全ての抗原に対して結合の弱いものも含まれていることが分かります。
微生物タンパク質マイクロアレイの特徴
ウイルス、細菌、真菌、原虫等の順相サンプル約1,600種類、および逆相サンプル(クルード)約3,400種類を搭載しており、一度に5,000種類もの微生物タンパク質※1に対する結合性を評価することができます。
微生物タンパク質には、ウイルスとして各種コロナウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどの主要なウイルスの他に、デングウイルス、ジカウイルス、エボラウイルスなど、細菌として大腸菌や黄色ブドウ球菌などの病原性細菌、原虫として熱帯性マラリア原虫やトキソプラズマなどが含まれています。
- ※搭載サンプルのリストはページ下部の資料ダウンロードからご覧いただけます。
- 試験例
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新型コロナウイルスワクチン接種前後の血中IgGプロファイリングの比較
微生物マイクロアレイの順相サンプルによるプロファイリング結果のうち、反応が強かったスポットを抽出しています。接種前は新型コロナウイルスに対する抗体を持っている人はほとんどいませんでしたが、接種後には新型コロナウイルス抗原に結合する抗体が一様にみられるようになりました。一方、SARSコロナウイルスに対する抗体のプロファイルにはほぼ変化がなく、本マイクロアレイの再現性が高いことも窺えます。
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血液中の抗インフルエンザウイルス抗体の有無と市販抗体の結合性の評価
インフルエンザウイルスの逆相サンプル(33スポット)に対する健常者の血清、および市販抗インフルエンザウイルス抗体のプロファイリング結果です。各ウイルス株に対する血清中の抗体の有無と、市販抗体のウイルス株への交差反応性を評価しています。
アレルゲンタンパク質マイクロアレイの特徴
穀物・果実・魚介類などの食品から、綿・ラテックスなどの素材、植物、花粉、ダニ、細菌まで、アレルゲンとなり得る物質の逆相サンプル(クルード)を搭載しています。約1,200種類※ものアレルゲン候補物質に対する抗体反応を、ごくわずかなサンプル量で一度に評価することができます。これほど多数のアレルゲン候補に対する反応性を一挙にみることができるのは、弊社のマイクロアレイだけです。
- ※搭載サンプルのリストはページ下部の資料ダウンロードからご覧いただけます。
- 試験例
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ヒト血中のIgEプロファイリング
【アレルギー患者と健常者のIgEプロファイリング】アレルギー患者5例および健常者4例の血漿を用いたIgEプロファイリングの結果から、反応のあったスポットを抽出しています。個々人がどの抗原に対するIgEを持っているかが一目で分かります。
提供データ
- ご提供するもの
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- ・解析データ(Excel形式)
- ・試験報告書(PDF形式)
解析データと試験報告書の例は、ページ下部の資料ダウンロードからご覧いただけます。
お客様から提供していただくもの
- 評価を行うサンプルのみご用意ください
- 測定可能なサンプルと抗体の種類は生物種ごとに異なります。また、測定に必要な液量はサンプルの種類によって異なります。詳細は下記の表をご参照ください。
- 測定可能なサンプルと抗体の種類
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生物種ごとの測定可能なサンプルと抗体の種類は下表の通りです。ヒト抗体については、血清・血漿以外の生体試料を用いた測定が可能となっていることも、弊社のマイクロアレイの特徴のひとつです。
サンプルの種類 IgG IgA IgM IgE IgY Human 血清・血漿・抗体溶液 ● ● ● ● ― 初乳・乳汁・涙液・尿・唾液 × ● × × ― 脳脊髄液 ● × × × ― 精液 ● ● × × ― Mouse 血清・血漿・抗体溶液 ● ● ● ● ― Rabbit 抗体溶液 ● × × × ― Chicken 血清・血漿・抗体溶液 × × × × ● - 必要量
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血清・血漿・初乳・乳汁・唾液 100 µL以上 脳脊髄液・尿・精液 300 µL以上 涙液 50 µL以上 抗体溶液 20 µL以上(抗体濃度1 µg/µL)
- ※抗体溶液の場合、PBS溶液でのご提供を推奨します。
- ※抗体濃度が1 µg/µLよりも薄い場合、緩衝液にグリセロールが50%以上含まれる場合、事前の濃度調製が難しい場合はお問い合わせください。
- ※抗原同定の場合、評価抗体の純度や濃度により評価できないことがあります。
価格等
お手数ですが、まずはお問い合わせください。
資料ダウンロード
受託サービス「タンパク質マイクロアレイ解析」に関する説明資料をご用意しています。
ご不明な点等がございましたら、何なりとご連絡ください。
- 【チラシ】タンパク質マイクロアレイ解析[PDF:1 MB]
- 【搭載サンプルリスト】ヒトタンパク質マイクロアレイ_コムギ無細胞合成系[Excel:2 MB]
- 【搭載サンプルリスト】ヒトタンパク質マイクロアレイ_細胞合成系[Excel:381 KB]
- 【搭載サンプルリスト】微生物タンパク質マイクロアレイ[Excel:189 KB]
- 【搭載サンプルリスト】アレルゲンマイクロアレイ[Excel:67 KB]
- 弊社のタンパク質マイクロアレイについて[PDF:1 MB]
- タンパク質マイクロアレイ解析 アレイの種類について[PDF:2 MB]
- タンパク質マイクロアレイ解析 搭載サンプルについて[PDF:900 KB]